[新人技師必見]冠動脈の血管解剖&番号の覚え方

学生、新人技師に向けて

冠動脈の血管解剖と番号を覚えたい!

心臓の周囲を走行している冠動脈は、細かい血管に分かれています。

さらにはAHA分類と呼ばれる分類方法があり、冠動脈の血管解剖と合わせて暗記必須の分野です。

きんちゃんは、2025年から循環器の病院で働くのですが、心カテも行っている施設なので必修分野になっています。

この記事は、きんちゃんが皆様にも冠動脈およびAHA分類を覚えてもらいやすいように書いた記事です!

冠動脈を覚える際の課題

この記事を読む方の多くが抱える悩みをまとめてみました。

  • 冠動脈の走行が左右非対称で分かりにくい。
  • 右冠動脈、左前下行枝、左回旋枝までの分類しか覚えていない。
  • 血管名も、AHA分類も覚えていない。

どれもすごい共感できる悩みです、、、

きんちゃんが前いた脳外科病院では頭部血管の走行を覚える必要がありました。

その時も苦労しましたが、今思い返すと、冠動脈を覚えることに比べたらずっと楽でしたね(笑)

冠動脈を覚えるまでの5ステップ

そんな厄介者の冠動脈ですが、この記事を読み終わるころには暗記することができるでしょう!

少しでも頑張れるように、暗記の段階を細かく分けて5ステップに分類しました。

冠動脈を覚えるまでの5ステップ
  • 右冠動脈の解剖を覚える
  • 左冠動脈の解剖を覚える
  • 右冠動脈のAHA分類を覚える
  • 左冠動脈前下行枝のAHA分類を覚える
  • 左冠動脈回旋枝のAHA分類を覚える

ちなみに、この記事を書いているきんちゃんは現在4ステップを攻略中です。

だから、あなたは1人じゃないですよ!!一緒に頑張りましょう!!

[前提の共有]冠動脈を理解するための基礎知識

まずは、必要な冠動脈の知識を共有しましょう。

冠動脈は大きく、

  • 左冠動脈(LCA:left coronary artery)
  • 右冠動脈(RCA:right coronary artery)

に分かれます。

左冠動脈(LCA)はさらに

  • 左前下行枝(LAD:Left Anterior Descending)
  • 回旋枝(LCX:Left Circumflex)

に分かれます。

これを冠動脈だけ抜き出すとこのようになります。

さらに米国心臓協会(AHA:American Heart Association)では、冠動脈に1-15番の番号をつけて分類しています。

実際に番号を振ってみると、ちょっとややこしいですが、以下のようになります。

ここでの一番のポイントは、

  • 1-4が右冠動脈(RCA)
  • 5が左冠動脈主幹部(LMT:Left Main Trunk)
  • 6-10が左冠動脈前下行枝(LAD)
  • 11-15が左冠動脈回旋枝(LCX)

となります。
このように、

  1. 右冠動脈 (#1-4)
  2. 左前下行枝 (#6-10)
  3. 左回旋枝 (#11-15)

の順番に番号が付いていくということをまず覚えておきましょう。

(上記:遠隔画像診断より一部引用)

冠動脈の解剖、AHA分類をマスターしよう!!

それでは、基礎知識の共有ができたところで早速冠動脈の解剖、AHA分類をマスターしていきましょう!!

右冠動脈の解剖を覚える

それでは第1ステップとして、右冠動脈の解剖から見ていきましょう!

記号和名略名英名
洞房結節枝 もしくは 洞結節枝SNSinuatrial Nodal branch
円錐枝CBConus Branch
右室枝RVBRight Ventricular Branch
鋭角枝 もしくは 鋭縁枝AMAcute Marginal branch
房室結節枝AVAtrio-Ventricular
後下行枝PDPosterior Descending

画像、表引用:https://med-infom.com/?p=159

勉強用サイトとして活用している「心カテブートキャンプ」より引用した画像と表です。

血管名を覚えるのはもちろんですが、英名や略名も併せて覚えたいですね。

脳外科病院の時は、血管を略名で呼んでいることがほとんどだったので、和名だけでなく略名や英名も併せて覚えていました。

どうやったら覚えられる?

さて、肝心の暗記方法です。

ぶっちゃけ、ひたすら読んで書いてを繰り返すしかないですね!!

書くのは、右冠動脈の解剖図です。

その図にカナを振って、各々に該当する血管名を和名と略名、英名それぞれを完答できるまでひたすら繰り返すのが手っ取り早いでしょう。(実証済みです👍)

下の図を真似してさらっと書くだけ!それではさっそく、レッツトライ!!

左冠動脈の解剖を覚える

続いて第2ステップの左冠動脈の解剖です。

画像、表引用:https://med-infom.com/?p=177

左冠動脈は、左前下行枝と回旋枝に分岐しているため右冠動脈よりも複雑に見えますね~

難航しそうなときは、さらに細かくステップ分けして覚えましょう!

  • 左前下行枝のみ覚える
  • 回旋枝のみ覚える

全体を軽く見た後で、片方覚えることができればかなり負担は軽減されますよ!!

右冠動脈のAHA分類を覚える

AHA分類を覚えることができれば、心カテで目的としている血管が分かりますし、先生との会話も十分にできるようになります!

当然ですがアンギオの時は、どの血管の話をしているのか理解しておかないとめちゃめちゃ怒られます、、、

それではさっそく、右肝動脈のAHA分類を再確認しましょう!

枝の番号対応する枝の部位
#1右冠動脈(RCA:Right Coronary Artery)の付け根から右室枝(RVB:Right Ventricular Branch)まで
#2右室枝から鋭縁枝(AM:Aute Marginal Branch)まで
#3鋭縁枝から後下行枝(PD:Posterior Descending)まで
#4AV房室結節枝(AV:Atrio-Ventricular)を指す
#4PD後下行枝を指す

画像、表引用:https://med-infom.com/?p=315

右冠動脈だけならどうにか暗記できますよね!?

AHA分類では、血管が各番号の境になっていることが分かります。

このステップにたどり着いた皆様なら、右冠動脈の解剖は完ぺきなので、あとは分類を一つずつ覚えていくだけですね!

どうやったら覚えられる?

さて、肝心の暗記方法です。

ぶっちゃけ、ひたすら読んで書いてを繰り返すしかないですね!!

と、右冠動脈の解剖の時と同じことを書きました(笑)

実際その通りなのですが、具体的な流れをまとめます。

  • 右冠動脈の解剖図を描く
  • 血管名を、和名、英名、略名セットで書く
  • AHA分類の範囲を図に書き足す

空でこの工程をこなせるようになったら、AHA右冠動脈マスターです👍

左冠動脈前下行枝のAHA分類を覚える

右冠動脈の次は、左冠動脈です。

ただし、左冠動脈のAHA分類は覚えるまでかなりしんどいので2段階に分けました。

まずは、左前下行枝のほうから見ていきましょう!

#5左主幹部(LMT:Left Main Truck)
#6左主幹部から1本目の中隔枝(SB:Septal Branch)まで
#71本目の中隔枝から第2対角枝(D2:Second Diagonal Branch)まで
#8第2対角枝から左前下行枝(LAD:Left Anterior Descencing)の末梢まで
#9第1対角枝(D1:First Diagonal Branch)を指す
#10第2対角枝を指す

画像、表引用:https://med-infom.com/?p=315

分岐の枝を把握しておけば、分類の境目を理解することができます。

何回も図を描いては血管名の暗記、AHA分類範囲の暗記をしましょう!

個人的には、血管解剖をしっかり覚えていればAHA分類の理解を助けることになります。

解剖が不安になったら必ず戻って確認しましょう!

左冠動脈回旋枝のAHA分類を覚える

最終ステップです!!

回旋枝も一緒に見ていきましょう!

#11左主幹部から鈍角枝(OM:Obtuse Marginal)まで
#12鈍角枝を指す
#13鈍角枝から後側壁枝(PL:Posterior Lateral)まで
#14後側壁枝を指す
#15後下行枝(PD:Posterior Descending)を指す

表引用:https://med-infom.com/?p=315

前下行枝を覚えることができれば、あとは回旋枝を覚えるのみです!

もう一息ですよ!!

回旋枝は分岐に分岐を繰り返していきますので、1本1本確実に覚えていきましょう!

まとめ

この記事を読破した皆さんなら冠動脈の解剖とAHA分類については完璧ですね!!

最初はしんどくても、冠動脈の図を書きまくったら自然と覚えていることでしょう!

やるかやらないかはあなた次第です。新年一発目の業務で周囲との差を見せつけちゃいましょう(笑)

知識は武器ですから、あなたはまた一つ大きな成長しましたよ!素晴らしいです👍

ではまた

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