第一種放射線取扱主任者試験に合格したら就職後も役立つの?

学生、新人技師に向けて

第一種放射線取扱主任者試験の重要性

放射線技師として働いていると、さらなるキャリアアップや専門知識の習得を目指して資格取得を考える方も多いでしょう。

その中でも「第一種放射線取扱主任者試験」は、放射線技師にとって重要な資格の一つです。

この資格を取得することで、どのように業務に影響するのか、またそのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

実際に試験を学生時代に受けて合格したきんちゃんの意見も合わせてまとめてみました。

第一種放射線取扱主任者試験は職場で役立つのか?

この記事を読んでる方の疑問はおそらくこのようなものでしょう。

  • 資格を持っていたら職場でどれくらい有利なの?
  • 学生のうちに取った方が良いの?
  • 働きながらでも取得した方がいいの?

きんちゃんは大学3年生の時に、大学の先生から受験を勧められました。

そして、実際に受験したのは7割、その中で合格した人の割合は6割ほどでしたかね。

皆様も、大学時代に第一種放射線取扱主任者試験の受験を勧められることがあったのではないでしょうか?

学生や現職の放射線技師の中には「第一種放射線取扱主任者試験を取っても、実際に職場でどの程度役立つのか?」という疑問を抱いている方も多いでしょう。

その疑問に対して、実際の職場での有用性、資格を取得するメリットとデメリットについて考察します!

資格は役立つが、職場によって差がある

簡単に結論からお話しします。

第一種放射線取扱主任者の資格は、職場で役立つ場面もありますが、大規模病院ではすでに資格保有者が多い場合がけっこうあります。

そのため、業務で即戦力として活かせる機会は比較的少ないといわざるを得ないです、、、

※第一種放射線取扱主任者に資格保有者を病院側が探していた場合は、有利に働きます!

第一種放射線取扱主任者を目指すよりも他の資格のほうが業務で活かしやすい

しかし、資格は学んだ知識の証明であり、就職やキャリアアップの際に大きなメリットとなります。

第一種放射線取扱主任者は受けるべきか!?否か!?

さて、実際に受験するべきか否か?ここまでしか読んでいないと、

あまり受験する意味がないのでは?

と考えてしまう人が多いかもしれませんね。

しかしながら、きんちゃんは受験を決めて無事合格を勝ち取りました!

なぜ受験することを決めたのか、実際に資格を持っていることによるメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

第一種放射線取扱主任者を取得するメリット

第一種放射線取扱主任者を取得するメリットとして、以下のような点が挙げられます。

  • 合格したという実績が、学業に力を入れた客観的な証明になる。
  • 学生時代から取得でき、国家試験対策になる。
  • 就職、転職活動で有利に働くことがある。

順番に一つずつ見ていきましょう!

合格したという実績が、学業に力を入れた客観的な証明になる。

第一種放射線取扱主任者試験の合格率は冗談抜きで低いです。

例年のデータをご覧ください。

  • 令和4年:合格率 28.9%、受験者数 3,097人
  • 令和3年:合格率 33.9%、受験者数 2,546人
  • 令和2年:合格率 41.9%、受験者数 2,157人
  • 令和元年:合格率 23.5%、受験者数 3,357人
  • 平成30年:合格率 23.7%、受験者数 3,558人

引用元:原子力安全技術センター

合格率は、およそ3割前後で推移しているのが分かりますね。

超難関資格より合格率が高いのはその通りなのですが、きちんと勉強しないと普通に落ちます。

これは逆に言えば、きちんと勉強すれば合格する可能性があり、合格を勝ち取った学生に対しては、客観的に見ても「勉強を頑張った」という評価につながることを意味します。

大学卒だろうと専門卒だろうと、この資格を持っていることが学業に力を入れた証明になるのです。

学生時代から取得でき、国家試験対策になる。

第一種放射線取扱主任者試験の受験条件はありません!

誰でも受験することができるため、極端な話赤子でも受ける資格はあります(笑)

これにより、社会人になる前の在学期間中に受験することが可能なのです!

そして、第一種放射線取扱主任者試験の受験科目を勉強することは国家試験の勉強にも活かすことができます。

第一種放射線取扱主任者試験の、実際の試験科目をまとめてみました。

  • 放射性同位元素等の規制に関する法律に関する課目
  • 第一種放射線取扱主任者としての実務に関する課目
  • 物理学のうち放射線に関する課目
  • 化学のうち放射線に関する課目
  • 生物学のうち放射線に関する課目

試験科目名がかなり難解に見えますが、これらを国家試験の科目に言い換えるとそれぞれは、

  • 放射線安全管理学
  • 放射線計測学
  • 放射線物理学
  • 放射化学
  • 放射線生物学

となるのです!(国家試験にはこれ以外にも9科目、合計14科目あります)

もちろん勉強するのは大変ですが、後にまた国家試験対策で学習する内容を先に知っておけるのは大きなアドバンテージだとは思いませんか!?

失敗できない国家試験対策でかかるプレッシャーも軽減できるので、心理的な負担も減らすことができます。

就職、転職活動で有利に働くことがある。

最初の結論で、第一種放射線取扱主任者資格に対して、私はこう申し上げました。

第一種放射線取扱主任者を目指すよりも他の資格のほうが業務で活かしやすい

それならわざわざ難易度の高い資格を取得するために勉強する必要ないのでは?

と思っている方がほとんどでしょう、、、

しかし、場合によっては資格を取得していることが有効に働きます!

それは、就職・転職活動をしている場合です!!

新卒就活時

新卒で就職活動をしている学生さんは、就職試験や面接などで他校の学生との能力や、ポテンシャルを比較されて内定を獲得できるかが決まります。

この時、第一種放射線取扱主任者の試験に合格しているだけで学力的にはもう十分なんですよね。

病院側としても、国家試験に受かるか不明な学生よりも、学業を頑張っている実績がある学生に内定を上げたいはずです。

その実績として活用できるのは第一種放射線取扱主任者の資格なのです!

※あくまで試験に合格していれば十分学力があると判断されることが多いため、講習まで受ける必要性は急務ではないです。

また、就職試験での評価が同レベルの学生と競う場合でも資格があるだけで有利に選考を突破できる可能性が高まります。

必ずしも役立つとは言い切れませんが、持っていて損することはないのが新卒就活における第一種放射線取扱主任者なのです。

転職活動時

転職活動の際に最も第一種放射線取扱主任者の資格が有効になるのは、

第一種放射線取扱主任者を求めている時

です!!

新卒就活とは違い、転職活動にて重要視されるのは経験と保有スキルです。

第一種放射線取扱主任者が枯渇している病院、クリニックに転職希望の際に第一種放射線取扱主任者資格を保有している人が応募してきたら何の迷いもなく採用されるでしょう!

(その他、人間性やモラルなどで問題がなければですが、、、)

また、転職活動でも普通に第一種放射線取扱主任者資格を「努力できる人」という評価にすることもあるといいます。

持っていて損することはないのは、転職活動時でも十分言えるでしょう。

第一種放射線取扱主任者を取得するデメリット

一方、第一種放射線取扱主任者を取得するデメリットとして、以下のような点が挙げられます。

  • 業務上での使用機会が限られる。
  • 試験合格には膨大な学習時間が必要。
  • 認定技師のほうが実務に直結するケースも多い。

こちらも順番に一つずつ見ていきましょう!

業務上での使用機会が限られる。

大規模病院では、すでに多くの資格所有者がいるため、第一種放射線取扱主任者資格が直接的に業務で役立つ場面が少ない可能性があります。

また、日常の放射線業務では特定の専門性が重視されることが多く、この資格がすぐに役立つとは限りません。

第一種放射線取扱主任者資格を所有している技師の募集で入職した場合を除き、いきなり第一種放射線取扱主任者として業務に従事するケースはほぼ無いでしょう。

特に新卒の場合は、まず基本的な業務を覚えるところからになるので責任者としての業務を行うようになるのはしばらく先になりそうです(笑)

試験合格には膨大な学習時間が必要。

先にも述べたとおり、第一種放射線取扱主任者試験の合格率は平均して30%前後です。

超困難、とまではいいませんが十分に難易度の高い資格でしょう。

きんちゃんがこの資格試験の勉強を始めたのは受験日(8月末)の半年前(2月)からです。

もちろん、容量がいい人はもっと短期間の勉強で合格できるかもしれませんが、比較的自由度の高い大学生の場合でこれです。

働きながら第一種放射線取扱主任者試験の合格を目指して勉強する場合の難しさは言うまでもないことですね、、、

そもそも勉強時間の確保が難しく、体力的にも精神的にも負担が大きい点はデメリットと言えるでしょう。

ただし、合格した時の達成感はすさまじいものなのでこれだけを理由に受験することを辞めるのは早計だと思います。

認定技師のほうが実務に直結するケースも多い。

自分自身のキャリアアップ目的で第一種放射線取扱主任者試験の受験を考えている人はちょっと待ってください!

もし業務での影響を重視するのであれば、「認定技師」の資格を取る方が、より専門性を発揮できる場面が多いでしょう。

例えば、CTやMRIなど特定の分野での技術を深める認定資格は、病院ごとのニーズに合致しやすく、即戦力として期待されやすいです。

どの病院でも一定以上の評価をもらえる点から見ても、第一種放射線取扱主任者はどうしても一歩劣ります。

実際、第一種放射線取扱主任者試験の勉強内容は座学にかなり寄っています。

そのため、実務での効果を追求する場合、認定技師を目指す方が効率的かもしれません。

まとめ:第一種放射線取扱主任者資格は取得して損はない

第一種放射線取扱主任者資格は、特定の職場や状況では役立つことがありますが、大規模病院ではすでに多くの資格保有者がいるため、資格の活用機会が限られることもあります。

しかし、この資格を取得することで、就職活動でのアピールポイントが増え、キャリアアップの機会も広がる可能性があるのもまた事実です。

業務に直接影響する場面が少ないかもしれませんが、自己成長や知識の証明として非常に有用なので、興味がある方はぜひ挑戦してみてください!

また、試験勉強する上で必須の「三種の神器」と呼ばれる参考書たちがあります。

その参考書たちについては、こちらの記事をご覧ください!!

ではまた

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