放射線技師に必要なスキルとは?

学生時代は、放射線技師に必要なスキルをたくさん検索して調べていました。
でも、どのサイトでも書いてあることっておおざっぱすぎるんですよね。
「結局それってどの仕事でも言えるような、当たり前の内容じゃん!?」って感じです(笑)
社会人経験のない学生だった当時は、そんな内容をまじめに読んで素直に受け入れていましたが、社会人生活を十分に知ってしまった今はもう、鼻で笑うしかないですね~
そんないけていない文章よりも、100倍役に立つ内容を書きたい!伝えたい!ということで、放射線技師に必要なスキルをまとめました。
現場経験のある放射線技師が強く実感したことばかりなので、読めば間違いなく新人技師の苦労を軽くできますよ!!
前座:医療知識が必要なのは大前提!

放射線技師も医療従事者の一員です。当たり前の話ですが、医療従事者を名乗る以上は放射線技師としての必須医療知識は身に付けてください!
放射線技師としての必須医療知識は、具体的に以下のような範囲のものです。
- 体の解剖が分かる
- それぞれの装置の特性を説明できる
- 画像でどこが通常と異なるのか分かる
事細かに説明できる必要はありませんが、少なくとも他の医療従事者に対して話すときに、「相手が理解できる説明ができる」レベルまではあった方がいいですね。
経験談ですが、看護師さんなどからよく聞かれる質問はこれが多いです。

CTとMRIって何がどう違うの?
もちろん、放射線技師の皆さんやそれを目指す学生さんでもこの質問に答えるのは簡単ですよね??
放射線技師からしたら常識レベルの内容でも、他職種からみたら違いを知らない人も多くいます。そんな人たちから聞かれた時は、分かりやすく簡単に説明できるだけの知識を持っていているべきだよね、
ということを前提として、まずはお伝えさせていただきます。
仕事ができるようになりたければ3つのスキルを身に付けよ!!

まずは簡単に結論を伝えます。放射線技師が仕事を円滑に、効率よく進めるために必要なスキルは全部で3つあります。そして、その3つのスキルはこいつらです!!
はい、まだ記事を閉じないでください!この3つは皆さんの知っている言葉を使ったにすぎず、実際はもう少し細かいところのことを指します。
言い換えると、こうなります。
- 小さな勇気
- 普段の様子、正常な状態と違うところに気づける能力
- 自分、そして相手が理解できるような学び方
感覚的に理解してもらえるとありがたいのですが、これだけ見てもハテナですよね(笑)
一つずつ、具体的に説明していきます。最後まで読んでもらえれば、きんちゃんの伝えたいことを理解し、明日からの業務に取り入れられるでしょう!
ステップ1:小さな勇気(積極性)

積極性を、「小さな勇気」と置き換えています。この言葉はきんちゃんが勝手に作り出したものです。
この小さな勇気を、業務で活かせる内容に言語化するとこうなります。
- 気になること、疑問に感じたことを質問できる
- 急かされる状況に流されず、立ち止まって冷静になれる
- 自分から話しかけて職場の人間関係を構築できる
きんちゃんが新社会人になりたての頃は、かなり受け身な姿勢でいたという自覚があります。
グループワークや審査される場面では積極性をしっかりアピールしてはいましたが、日常生活においては興味がないことへの積極的介入は皆無でしたね(笑)
ですが社会人になったら、労働力を提供してその対価で給料という報酬を得ています。今までの自分では悲惨な結果になる、ということを身をもって学びました。
もう少し能動的に動いていれば、パワハラを受けることもなかったかもしれませんね、、、
受け身の姿勢では成長できない

新人には仕事のやり方を説明して、質問を受けたら対応する。これは先輩の仕事の一つであり、誰しもが経験することです。
だからといって、先輩の説明をすべて1回で理解し、すぐに業務を回せるようになる新人はおそらくいないでしょう。一度聞いただけですべてできるようになるというのは理想ですけどね(笑)
説明を受けて、気になることがあったらその場で聞く、これが案外できる人が少ないのです。
心理的なハードルが上がってしまった結果、自分から質問して疑問点を解消することができなくなります。そうすると、仕事ぶりを確認しに来た先輩からこういわれるわけですね。
いわれる新人側の気持ちは痛いほどわかります(きんちゃんも実際に言われました)。ですが、先輩の言うことは間違っていません。
説明をして、質問なく新人がそれをやり始めたら、「ああ、今の説明で理解してもらえたんだな」と思うのは当然です。それで間違えた作業をしていたら、言いたくもなります。
積極性とは「コミュニケーション」

素直に聞きやすい相手になら、気軽にわからないことを質問できるでしょう。問題なのは、相手によって聞きやすい人と聞きにくい人がいることです。
ではどうするか?月並みな結論ですが、「コミュニケーション」をとりましょう。
気さくに話ができる間柄になるのではなく、仕事上の付き合いができるようになる関係を目指すのが良いでしょう。
きんちゃんは次のようなことを意識しています。
関わる機会を増やすことで自然と接点が増えていきます。前よりも気軽に接することができると少しでも感じたら、一歩前進ですね!!
質問の時も、不安なら「初歩的なことかもですが」や「確認したいのですが」というような枕詞をつけると聞きやすいですよ!
急を要する環境でもうまく立ち回れるようになる

医療の現場は、時間との勝負なことが多いです。患者の救命時はもちろん、検査が立て込んでスピーディに現場を回さなければならないときなど、経験した方も多いでしょう。
そんな中でまごまごしていては、「使えないやつ」認定されても仕方ありません、、、
また、確認もないままに勢いに任せてやって大損害を生み出してしまっては元も子もないでしょう。
そんな状態でもうまく動くためには、
100%完璧にやろうとしなくてもいいんです。大事なのは、自分のプライドを捨ててでも場の流れを乱さないこと。
不安に感じることがあったら早めに誰かに確認をして、対策しておきましょう。間違っても、救急の到着で忙しい中、事前に質問して確認できたことを質問することのないように(笑)
ステップ2:普段の様子、正常な状態と違うところに気づける能力(観察力)

放射線技師の仕事に一つに、「読影の補助」があります。
ようは、診断の手助けになるような画像の撮影をして、医師に病変部位が分かる画像を提出できれば良いということです。
+αで、医師から意見を求められたら答えられるとより良いですね。
ここで話す観察力は、この+αの部分です。要するに、画像上の所見を見つけられるようにしよう!ということですね!
正常解剖を頭に叩き込む

画像所見を見つけるために必要なことは、2つあります。
- 異常所見の特徴を知っている
- 正常解剖と違うところを見つけられる
放射線技師の仕事をしていれば、自然に覚える所見もあります。それを意識的に学ぶことで、技師としてのスキルを高めましょう。
例えば、肝細胞癌と肝血管腫の画像所見の違いは分かりますか?
これを知っていれば、造影CTの画像を見るだけで判別することができます。もしも知らないという方は、今すぐこの記事を読んでくださいね(笑)
なんか変?「違和感」を大事にしよう

病気があると、画像上で必ずそのサインが出てきます。
肺炎疑いならすりガラス影や肺結節影、大動脈解離疑いなら大動脈血管が裂けていたり、イレウスなら腸間が急に狭まっていたり腸管壁が飛行していたり、、、
これらに気づけるのは、そういう画像を見慣れているのはもちろんですが、正常解剖とは異なる状態が描出されていて、それに気付いているから、です。
ネットでも教科書でも何でもいいので、正常な状態のXP、CT、MRI画像を叩き込みましょう!
おすすめは画像診断cafeです!正常解剖の気になる部分を色付きで見れるため、ぜひ活用してみてください!
きんちゃんは参考書として、こちらの本も活用しています!
ステップ3:自分、そして相手が理解できるような学び方(論理的思考力)

画像引用:https://www.sejuku.net/blog/107493
最近話題になっている論理的思考力が、放射線技師にとって必要な最後のスキルになります。
論理的思考力とは、全体像を把握しながら物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる力です。
「ロジカル」とは「論理的な」「筋の通った」という意味であり、とくに問題解決の場面で力を発揮します。引用元:https://mba.globis.ac.jp/careernote/1006.html
放射線技師が論理的思考力を活用するのは、以下のような場面です。
一部医療現場あるあるな点もありますが、ほとんどが多くの企業に共通する場面での出来事です。2番目なんて、新人技師が先輩からよく投げかけられる言葉ではないでしょうか?(笑)
分からないことを質問するときも、意見を求められたときも、質問に対する説明をするときも、すべて相手が納得できるように話す必要があります。
そうでないと、「的外れな回答を言う人」という認識を相手に与えてしまいかねません。
まずは結論から話す!理由や根拠はそのあとでいい

具体例を一つ上げます。あなたは現在CT担当技師です。
今日は混雑していて、現在撮影を始めた患者のほかに、すでに3人のCT撮影予定の患者が待合室にいます。そんな中、医師から「大至急、造影CTを撮影してほしいが、すぐ撮影できそうか?」という依頼を電話で受けました。
あなたは次のどの回答をしますか?
- 「今日はCTが混んでいて、今撮影している人のほかにあと3人待っている人がいます。一人当たり10分とするとだいたい40分かかってしまうので、それくらいになります。」
- 「今ちょうど一人撮影し始めました。混雑しているのですぐに撮影はできません。急ぐならこの人の後に撮影します。」
- 「急ぎなら10分後、待てそうなら40分後になります。」
理想的な回答は「3番」です。理由は、結論から話しているからです。
医師側は、「最短でいつ撮影できるか?」が知りたいので、それに対する最適な答えを最初に述べる必要があります。
これが結論から話すということです。
他の選択肢はCT室が混雑している現状の説明から話していますね。文章上ではそこまでですが、言葉で話すと結構じれったく感じますし、電話でのやり取りならなおさらです。せっかちな性格も関係してるかもですね(笑)
自分の理解を言語化できれば、相手にも理解が及ぶ

もう一つ重要なスキルは言語化です。
質問するときも、意見を述べるときも、逆に質問をされた時も、すべて大事なのは言葉にして相手に伝えることです。
質問するなら何が知りたいのか、は必ず相手に伝えなければいけませんよね。当たり前じゃん、と思ってもこれがうまく伝えられないと、相手も何を知りたいのかが分からず、とんちんかんな答えしか返ってこないようになります。
「話がずれている」なんて言われた心当たりのある方は意外に多いのではないでしょうか?
そんな人にはぜひこの本を読んでいただきたいです。
先に述べた、結論から話すという話も出てくるので是非ご活用ください!
ほんの少し意識するだけで、話の伝わりやすさが見違えますよ👍
まとめ:スキルを磨いてより良い放射線技師へ

画像引用:https://www.ashita-team.com/jinji-online/development/8080
改めて、放射線技師に必要な、とても大事なスキルはこの3つです。
- 小さな勇気
- 普段の様子、正常な状態と違うところに気づける能力
- 自分、そして相手が理解できるような学び方
ここまで読んでくれたことで、感覚的にでも理解してもらえたら嬉しいですね(笑)
具体的なスキルの育成方法は、記事内のやり方はもちろん、記事内で紹介している本を読んで実践してもらえたら嬉しいです。
一つ活用するだけでも、必ず皆さんの役に立つことでしょう!!
引き続き放射線技師や技師を目指す学生に役立つ情報をお伝えするので、ぜひ他の記事も見てレベルアップしちゃってください!!
ではまた
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