みなさんこんにちは、診療放射線技師のきんちゃんです。
今回の記事では、頭部レントゲン撮影についてお話ししようと思います。
脳外科がメインのきんちゃんの職場では比較的撮影頻度が多いように感じる検査です。
前回の記事でまとめた胸写編、腹写の続編となっているので、まだそちらを見ていない方は胸写編、腹写編もぜひご覧ください!
~2024年7月24日追記~
腰椎レントゲン撮影についてもまとめました!ぜひこちらもご覧ください!
ここまでマスターできれば、レントゲンは脱初心者といえるでしょう!
頭部レントゲン撮影について学ぼう!!
それでは、頭部レントゲン撮影について学んでいきます。
まずは、撮影する際の患者の体勢から見ていきましょう!
撮影体位の種類
きんちゃんの病院で撮影している頭部レントゲン撮影は、以下の2つです。
ポジショニング自体はシンプルなのですが、きれいに合わせられると放射線技師としてとてもうれしいですよ!
全体で共通しているポイントと撮影の流れ
腹写の際に、どの体位でも共通しているポイントと実際にきんちゃんの病院でやっている撮影の流れをお話ししていきたいと思います。
撮影する際の流れを把握することでイメージをしっかり固めましょう!
大まかな流れは以下の通りです。
- 患者情報と検査目的の確認
- 患者の呼び込み
- 撮影の説明と準備
- 正確なポジショニング
- 技師の合図に合わせて撮影
なお、それぞれの具体的な内容については前回前々回の胸写編、腹写編で説明しているので一部割愛します。
検査目的の確認
きんちゃんの病院で頭部レントゲン撮影は、「頭蓋内に埋め込んだデバイスの位置確認」で行われることがほとんどです。
動脈瘤の治療で、コイルやステント、FD(フローダイバータ―)などのデバイスを埋め込んだ患者のデバイス位置確認で術直後や、外来受診時に撮影をしていました。
左右間違いや、埋め込まれているデバイスの種類、位置に問題がないかしっかり確認する必要があります。
それぞれの体位での撮影で注意するポイント
次に、それぞれの撮影時に注意するポイントについてお話ししていきます。
正面撮影
正面撮影で最も重要なのは、顔の傾きを真正面にして撮影することです。
頭部CT撮影時と同様にOMラインを意識したポジショニングをするのはもちろんですが、左右それぞれの方向から見て顔の傾きがないかを確認してから撮影しましょう。
もちろん、ヘアピンやピアス、マスク(針金が写ってしまう)を外すのも忘れずに!
撮影した画像にて、眼窩内に内耳道が見えたら完璧です!!
側面撮影
正面と同様に顔の傾きを合わせることが重要です。真横から放射線を入射する際に、両側の顎関節や前頭蓋底部が重なっているかを確認しましょう。
また、頭蓋骨全体を撮影するため後頭部が欠けないように枕を事前に高くしておきましょう。
後は入射点を外耳孔前方の2.5cm、上方2.5cmの位置にして撮影しましょう!
外耳孔がきれいに重なっていたら文句なしの100点満点です!!
個人的な経験と学んだこと
ここからは、私が診療放射線技師として働いてきたなかで、学んだ経験などをちょろっとお話しします。
きんちゃんが職場の先輩の動きを見て学んだ事柄でもあるので、撮影の際はぜひ気にして検査してみてください!
枕などを使って頭蓋骨が欠けないようにする
ポジショニングをする前に、頭蓋骨が欠けないように枕や固定具を使って事前準備を済ませておくことが重要です。
ポジショニングを済ませた後で枕などを入れたら、せっかくきれいに合わせた頭の位置がずれてしまいますからね(笑)
正面ではパネルが頭蓋骨全体が入るように、側面では後頭部が欠けないようにしましょう!
顔の傾きは丁寧に合わせる
顔の傾きは丁寧に合わせるようにしましょう。
きんちゃんはいつも、患者さんの真上から見た後に頭側に回って傾きを合わせるようにしています。
斜めを向いていたり、顔全体が傾いている場合が結構あるので複数方向から調整することで完璧なポジショニングを目指しましょう!!
アクセサリー、マスクなどは事前にすべて外す
どの検査にも共通して言えることですが、撮影範囲に写りこんでしまいそうな物体はすべて事前に外してもらうようにしましょう。
男女共通しているものとしては、マスクがかなり注意点です!マスクの針金は物によってはしっかり写ってきます(笑)
布マスクのように問題なさそうに見えるものもありますが、少しでも怪しく思った際は外してもらうようにした方が確実でしょう。
まとめ
頭部レントゲン撮影は、新人放射線技師や放射線技師を目指す学生にとって、習得しておきたい重要な技術の一つです。
撮影の際には、頭蓋骨が欠けないように注意することが大切です。顔の傾きは丁寧に合わせて、左右対称になるようにしっかりとポジショニングを行いましょう!
また、アクセサリーやマスクなどの邪魔になるものは、事前にすべて外してもらうことを忘れずに。
頭部レントゲン撮影のポジショニングは、頭部CT査定にも応用できる技術なのでしっかりここでマスターするべきです!!
出来ることを一つでも増やしてガンガン成長していきましょう!!
ではまた
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