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~脳外科病院勤務あるある~てんかんって何??

きんちゃん

てんかんって何のこと?

きんちゃんが広島で勤務していた病院は、脳外科メインの病院でした。

救急患者の対応時に、頻繁に「てんかん」という言葉が出てきます。

てんかん発作かな?と先生が予測して画像診断をすることも多いです。

今回は、てんかんとは何か?について一緒に学んでいきましょう!

てんかんの基礎知識

最初に結論を申し上げます。

てんかんとは、脳の異常な電気信号による興奮によって生じる病気です。

乳幼児を含めた若年での発症が比較的多いですが、高齢者でも腫瘍や脳卒中の合併症として起こることがあります。

てんかんを発症したことで起こる事象として、

  • 突然意識を失う。
  • 口をもぐもぐさせる。
  • 全身が痙攣する。

といったものが代表的な症状として挙げられます。

プリセット1
プリセット1

心当たりのある症状があるかも、、、

と、思い当たる症状がある方は医療機関への受診をお勧めします。

乳幼児であれば小児科、そうでなければ脳神経外科や神経内科、一般内科を有する医療機関を受診すると良いでしょう。

てんかんの種類と症状

てんかんは、症候性てんかん特発性てんかんの2種類に大きく分けられます。

  • 症候性てんかん
  • 特発性てんかん

それぞれどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。

症候性てんかん

症候性てんかんの主な特徴
  • 原因が明らか(脳の病気やけがなど)
  • MRIやCTで脳の異常が見つかることが多い
  • あらゆる年齢で発症する
  • 発作のタイプは多様(部分発作が多い)
  • 原因となる基礎疾患の治療も必要

症候性てんかんとは、脳に明らかな異常があって、それが原因で発症するてんかんのことです。

たとえば、脳出血、脳腫瘍、頭部外傷、脳炎、先天的な奇形などが引き金になります。

そのため、MRIやCTなどの画像検査でてんかんの原因となる異常が発見されることが多く、てんかん発作以外にも神経症状を伴うことがあります。

症候性てんかんは年齢に関係なく発症し、特に高齢者では脳梗塞や脳出血などを背景に起こることが多いです。

治療の際は、てんかんそのものに加えて、原因となっている病気の治療や管理も重要になります。

特発性てんかん

特発性てんかんの主な特徴
  • 明確な原因が見つからない
  • 遺伝的素因が関与していると考えられる
  • 小児〜若年者に多く見られる
  • MRIやCTで異常は見つからない
  • 脳波に特徴的な異常波形が見られることがある
  • 治療反応が良好なことが多い

特発性てんかんは、現代の医学では原因が特定されていないてんかんを指します。

脳の画像検査では異常が見られないにもかかわらず、てんかん発作を繰り返すのが特徴です。

遺伝的な要因が関係しているとされ、家族内に同様の発作歴を持つ人がいることもあります。

このタイプのてんかんは、小児から思春期にかけての若い年代に多く発症します。

代表的なものとして「小児欠神てんかん」や「若年ミオクロニーてんかん」などがあります。

発作の特徴がはっきりしていて、抗てんかん薬がよく効くケースが多く、予後も良好なことが多いです。

どうすれば診断できる?

診断は主に症状を基にして行います。

脳波検査は非常に参考になるため、有効です。

脳波検査は、脳の異常な信号の有無を調べる検査ですが、脳波異常とてんかん発作が確認できるとより確実な診断ができます。

他にも、血液検査尿検査を用いて肝機能や腎機能から評価をすることができます。

また、MRIやCT、核医学検査などによって脳腫瘍や脳の血流の調査をすることも有用です。

てんかんの治療法

もっとも一般的な治療は薬物治療です。

主な薬は、抗てんかん薬です。何種類かの薬を組み合わせて使用することもあります。

場合によっては、てんかんで手術が行われることもあります。

主な手術内容としては、

  • 焦点切除術:てんかんが発生する脳の部位(焦点)を切り取る手術。焦点を完全に切除できれば発作の抑制が期待できる。
  • 遮断手術:発作が伝わる経路を断ち切る手術。左右の大脳半球を連絡する脳梁を離断する(脳梁離断術)ことで発作を緩和させる。
  • 迷走神経刺激療法:左胸部に小型の神経刺激装置を植え込む。一定の間隔で新駅を刺激することにより発作を緩和させる。

てんかん発作を繰り返すと脳にダメージを及ぼすことがあるので、可能な限り早期からてんかん発作を抑える治療を開始することが重要です。

適切な治療が行われれば、70~80%の人は発作のコントロールが可能で、日常的な社会生活を営みことも十分可能です。

まとめ:てんかん疑いの時は所見を探そう!

いかがでしたか?

脳外科関連の要素として「てんかん」はよく耳にするワードであると思います。

てんかん疑いでCTやMRIオーダーが出ることが多いですが、じっくり撮影した画像を観察しましょう。

もしかしたら、てんかんの原因となる所見が隠れているかもしれませんよ?

当ブログでは、他にも多数の病気を紹介しています!

知らない病名や気になったことは調べて実態を把握することで、知識レベルの向上、自身の成長につなげていきましょう!!

ではまた

参考文献:てんかんについて | てんかんとは | てんかんinfo (tenkan.info)

てんかん – 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)

ABOUT ME
きんちゃん
きんちゃん
ブロガー/診療放射線技師
診療放射線技師として、転職を繰り返しながら3つの病院を経験。本業の傍らで副業でブログ「きんちゃんのラジエーションハウス」を運営している。
診療放射線技師を目指す学生、受験生→新人技師→3,4年目技師→転職→他病院でも通じるゼネラリスト技師をモットーに、各段階の方々を支えるブログ記事を公開中。
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