CT造影検査にて、先輩から撮影の方法を教わる際に必ず出てくる言葉があります。
それは、ボーラストラッキング法とテストインジェクション法です。
あなたはきちんと説明することができますか?
言葉自体は耳にしたことがある方や、学びたいけど時間がないからさくっと知りたい!
そんな方へ向けた記事です、一緒に見ていきましょう!
そもそも何のこと?
ボーラストラッキング法とテストインジェクション法とは何なのでしょうか?
この言葉を使うのは造影検査を行うときが一番多いでしょう。
これらは、造影剤を体内に注入した後で撮影するタイミングを判断するときに使う方法です。
一つずつ順番にお話しします。
ボーラストラッキング法
ボーラストラッキング法とは、初めからROIを使った方法です。
造影剤を注入したら、ある特定の断面で低線量の連続撮影(あるいは間欠撮影)を行います。
特定の断面のCT値を測りたい箇所(血管など)にROIを設置して、ROI内のCT値が設定した関心領域内のCT値を超えたら自動で撮影が始まるように設定をします。
CT値を入力するだけで安定した造影効果が得られるため簡便ですが、デメリットもあります。
心機能が低下していたり、逆流による予想外のCT値の上昇によって撮影するタイミングを外す場合があるので注意が必要です。
テストインジェクション法
テストインジェクション法は、先に少量の造影剤を使った方法です。
本スキャンの前に少量の造影剤を用いて、ある特定の断面を低線量にて撮影、モニタリングを行います。
得られた画像から目標とする血管内にROIを置き、横軸にモニタリングからの時間、縦軸にROIないのCT値を取ったグラフから造影剤のピーク時間を割りだす方法です。
心機能低下や逆流に左右されずピーク時間を割り出すことができるため、タイミングを外す可能性が少ないです。
ただ、ボーラストラッキング法に比べて手技がやや煩雑だったりします。
実際の現場での使用タイミング
きんちゃんの職場での話ですが、それぞれの方法を用いて造影検査を行っています。
※全施設で同様のやり方とは限らないため、必ず上司や先輩に確認してから行いましょう。
ボーラストラッキング法を使うとき
肝ダイナミック撮影の際には、ボーラストラッキング法を使います。
造影剤を注入してから間欠スキャンによるROI内のCT値を観察し、目的の値に達してからスタートするように設定しています。
腹部の撮影になるため、患者の呼吸や体動によるROIのずれに注意しながら検査しています。
テストインジェクション法を使うとき
主にCTA撮影時に使用しています。
といっても、使うタイミングは、頭部CTAから続けて頚部のCTAをするときです。
頭部CTAはボーラストラッキング法にて撮影を行い、その後頚部を撮影する前に画像の再構成をかけて造影剤を注入してから頚部の目的とする箇所近くにROIを設置します。
ROI内のCT値がピークになった時間を記録して頚部CTA撮影のタイミングに活用しています。
つまり、頭部CTAで用いる造影剤が「テスト」のようなイメージですね(笑)
ただし、場合によっては頚部もボーラストラッキング法で撮影することがありますし毎回「頭頚部CTA」として撮影するわけではないため状況によりますかね。
まとめ
いかがでしたか?
この記事を読んでいただければ、ボーラストラッキング法、テストインジェクション法がどのような方法なのか、どんな撮影で用いられているのかが理解していただけると思います。
この記事で学んだことをぜひ皆様の職場でも活かしてください!
後輩がいる方は自慢げに説明しちゃいましょう!!(笑)
なお、造影剤の注入条件や副作用について詳しく学びたい人はこちらの記事も合わせてご覧ください!
ではまた
コメント