【後悔したくない人必見】現役技師が語る、放射線技師はやめとけと言われる理由と解決方法
「放射線技師はやめとけ」――SNSやネット上で、そんな意見を目にすることがあります。

放射線技師なんて大して稼げないんだからやめときなよ

技師としてのやりがいが感じられない。
もっと自分に向いている職業があるかもな〜
確かにそう感じる人もいますが、実際に放射線技師として全国で活躍している人がたくさんいるのも事実です。
では、なぜ「やめとけ」と言う人がいるのに、今も多くの技師が働き続けているのでしょうか?
結論から言うと、「放射線技師という仕事が悪い」のではなく、「職場環境が合っていない」ことが原因であるケースがほとんどです。
環境が合わないと感じたら、まずは「転職」という選択肢を考えるべきです。
この記事では、実際に職場環境が合わず転職を経験した現役放射線技師の私が、「放射線技師はやめとけ」と言われる理由と、その理由を解消するための方法を解説します。
最後まで読めば、「やめとけ」という言葉に惑わされず、後悔しないキャリアの選択ができるようになります。
やめとけな職場もあるが放射線技師という職種自体は悪くない

放射線技師という仕事は、医療現場を支える重要な職種である一方で「放射線技師はやめとけ」という声を聞くこともあります。
その多くは、仕事そのものではなく、職場環境や人間関係、待遇への不満が原因です。
実際、私自身も職場の雰囲気やスキルの成長機会、給与面に不満を感じ、これまでに2回の転職を経験しました。
そして、職場が変わるだけで、働きやすさもやりがいも大きく変わることを実感しました。
放射線技師という職種自体を否定する必要はありません。大切なのは「合わない環境を変える」という視点です。
『放射線技師はやめとけ』と言われる3つの理由


放射線技師なんてやめた方がいいよ、、、
そう言われても、なぜそう結論づけるのか、理解できないことも多いですよね。
それどころか、無責任な発言一つで活躍できたかもしれない放射線技師としての将来に大きな影響を与えてしまうのはいかがなものかと私は個人的に思います。
実際に調べてみたところ、「放射線技師はやめとけ」と言われる原因は大きく分けて以下の3つであることがわかりました。
- 給料・年収が少ない
- 職場の人間関係が不満
- 仕事内容にやりがいを感じない
それぞれの理由について、現役放射線技師の私がその詳細をまとめてみました。
順番に確認していきましょう。
やめとけな理由その1:給料・年収が少ない

放射線技師は他職種と比較しても給料が少ないと感じる人が多いようです。
放射線技師の給料は、他業種と比べると給料が高いとは言いづらいのが現実です。
| 業種 | 平均年収 | 平均手取り額(概算) |
|---|---|---|
| 建設業 | 約548万円 | 約438万4,000円 |
| 製造業 | 約533万円 | 約426万4,000円 |
| 卸売業・小売業 | 約387万円 | 約309万6,000円 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 約264万円 | 約211万2,000円 |
| 金融業・保険業 | 約652万円 | 約521万6,000円 |
| 不動産業・物品賃貸業 | 約469万円 | 約375万2,000円 |
| 運輸業・郵便業 | 約473万円 | 約378万4,000円 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 約775万円 | 約620万円 |
| 情報通信業 | 約649万円 | 約519万2,000円 |
| 学術研究・教育など | 約551万円 | 約440万8,000円 |
| 医療・福祉 | 約404万円 | 約323万2,000円 |
| 複合サービス事業 | 約535万円 | 約428万円 |
| サービス業 | 約378万円 | 約302万4,000円 |
| 農林水産・鉱業 | 約333万円 | 約266万4,000円 |
出典:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」業種別の平均給与
この表を見ると、「医療・福祉」分野は平均404万円と、全体平均より低めです。
つまり、放射線技師を含む医療職全体が「給与の伸びにくい業界」であることがわかります。
それでは放射線技師限定かつ年代別で比較してみるとどうでしょうか?
| 年齢 | 平均年収 | 月収 | 賞与 | |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 20-24 | 360万円 | 26万円 | 47万円 |
| 25-29 | 411万円 | 29万円 | 66万円 | |
| 30代 | 30-34 | 480万円 | 33万円 | 89万円 |
| 35-39 | 533万円 | 37万円 | 94万円 | |
| 40代 | 40-44 | 578万円 | 39万円 | 110万円 |
| 45-49 | 602万円 | 41万円 | 107万円 | |
| 50代 | 50-54 | 698万円 | 46万円 | 141万円 |
| 55-59 | 749万円 | 50万円 | 150万円 | |
| 60代 | 60-64 | 544万円 | 39万円 | 81万円 |
| 65-69 | 459万円 | 32万円 | 76万円 | |
30代で平均480万円、40代で580万円、50代で700万円前後。
年齢を重ねるごとに少しずつ上がるとはいえ、他業種では20代後半〜30代で年収600万円に届くケースもあります。
つまり、責任の重さに対して収入が見合わないと感じる人が多いのも当然です。

中小規模病院では、技師歴4年目でも年収が400万円ほどでした、、、
私自身のリアルな年収について詳細を知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

とはいえ、これはあくまで「平均値」。
職場や働き方を変えれば、年収アップのチャンスは十分あります。
給料に不満があるなら、「職種をやめる」よりも「職場を変える」ことが解決の第一歩です。
やめとけな理由その2:職場の人間関係が不満

医療現場はチームで動くため、人間関係のストレスが発生しやすい職場です。
特に放射線技師は、医師や看護師、事務スタッフとの連携が必要なため、衝突や誤解も起きやすい職種ではないでしょうか?

職場の人間関係に嫌気がさして、入職してすぐにやめてしまいました。
というように、意外と人間関係が原因で退職してしまう人は多いです。
私も新卒で入職した職場でパワハラを受けてしまったために、新卒1年目でその病院を退職しています。
詳細はこちらの記事からどうぞ。

また、「放射線技師には変わり者が多い」なんて呼ばれてしまているのが実情です。
そういう話を聞いてしまうと、放射線技師になってもうまくやっていく自信がなくなってしまいますよね。
ただこれに関しては放射線技師に限った話ではなく、どんな職業でも起こり得ることです。
残念ながら、放射線技師をやめたからといって解決できる問題ではありません。
言い方を変えると、人間関係の悪さは「その職場特有の問題」であって、放射線技師という職業の問題ではないのです。
やめとけな理由その3:仕事内容にやりがいを感じない

放射線技師はルーティン業務が多く、同じ作業の繰り返しになりやすい仕事です。

スイッチマンとからかわれても仕方ないのかな、、、?
確かに、単調な仕事に感じてしまう瞬間もあるでしょう。
しかし、CTやMRIの画像精度を追求したり、放射線治療・核医学などの専門領域を極めたりと、技術を磨ける分野はいくらでもあります。
基本であるレントゲンの胸写一つにしても、撮影条件やポジショニングの意味を理解しているか否かでは画像の見え方が全く違ってきます。
![[新人技師必見!]レントゲンの撮影条件&mAs値一覧と最適な線量の考え方](https://kinchan-ayumi.com/wp-content/uploads/2025/05/1a4a8828f834bd0423a3398764f53d95.png)
もし「やりがいを感じない」と思ったら、それはキャリアの方向性を見直すチャンスです。
自分の得意分野や興味のある領域を伸ばすことを意識するだけで、仕事へのモチベーションは大きく変わります。
転職してでも、放射線技師を続けて良かったと思っている

私は「放射線技師なんてやめとけ」と言われた理由をすべて経験しました。
それでも辞めなかったのは、「今の職場がすべてではない」と気づいたからです。
5年の中で2回も転職をして真っ当な職場での勤務を経験できれば、放射線技師はやめた方がいい、などと考えることはなくなりました。
むしろもっと良い職場環境を求めて自分のキャリアを育てることに注力すらしています。
もし転職に対して不安がある方は、ぜひこちらの記事も併せて読んで悩みを解決しましょう!

職場が合わないだけで放射線技師を辞めるのはあまりにも勿体無い

放射線技師という仕事は、職場次第で人生が大きく変わります。
そのため、「この仕事が合わない」と感じている場合、実際には「職場が自分に合っていない」だけというケースが非常に多いです。
たとえば、同じ放射線技師でも、総合病院やクリニック、健診センター、企業病院などでは業務内容や勤務時間、求められるスキルがまったく異なります。
忙しい急性期病院で疲弊していた技師が、健診センターに転職して「ようやく自分のペースで働ける」と実感することも珍しくありません。
私自身も新卒で入職した病院は大学病院の放射線治療部でしたが、放射線治療以外にレントゲン、CT、MRIなどを経験したいと考えて転職を決めた過去があります。

新卒1年目の転職理由は、職場の人間関係改善+自分のキャリアアップだったので入る場所を根本的に間違えたかもですね笑
転職を経て人間関係に恵まれた職場で、頼れる先輩方とともにレントゲン、CT、MRIなどのモダリティを経験できたため私のキャリアは大きく成長しました。
転職を通じて職場を変えるだけで、業務内容が希望するものになり、同僚との人間関係も良好になり、仕事を楽しいと思えるようにまでなりました。
放射線技師という国家資格は、医療現場で一生使える専門スキルです。
それを今の職場が合わないという理由だけで手放してしまうのは、あまりにも勿体無いことではありませんか?
辞める前に、まずは「環境を変える」という選択を考えてみてください。
今の時代は転職前提でキャリア形成を考えるべき

今の時代、同じ職場で定年まで働き続けるという考え方は、もはや一般的ではありません。
「終身雇用」よりも、「自分でキャリアを作る時代」です。
医療業界でも転職を通じてキャリアを積み重ねる人が増えており、それは放射線技師も例外ではありません。
そしてこの意見はおそらく、転職を経験している私だからこそ伝えられることだと考えます。
実際に転職によって年収アップや勤務条件の改善に成功している放射線技師は多く、特に20〜30代での転職は今後のキャリアに大きなプラスになります。
私が経験した転職2回による勤務状況や年収などについての変遷はこちらの記事に詳細をまとめました。
最終的には、年収が60万円もアップしたので転職して良かったと心の底から思います!

「転職=逃げ」ではなく、「より自分らしい働き方を見つけるための手段」なのです。
まとめ:放射線技師をやめとけと言われるのは、環境が合っていないだけ

「放射線技師はやめとけ」と言われる理由は、給料・人間関係・やりがいの3つに集約されます。
しかし、それらは放射線技師という仕事自体を否定する必要はなく、職場環境を変えることで改善できる問題です。
放射線技師という仕事自体を否定する必要はありません。
転職を通じてより良い環境を選べば、やりがいと働きやすさを両立することができます。
焦って辞めるのではなく、まずは一歩踏み出して情報収集から始めましょう。
一緒に後悔しないキャリア選択をしていきましょう!
